競馬予想の仕方とそっくり? 政治部記者もイメトレで訓練(産経新聞)

 【高橋昌之のとっておき】政治と競馬(上)

 今回は私が趣味のひとつとしている競馬について書きたいと思います。といっても、政治との関係でです。実は私が競馬好きなのも、政治と予想の仕方が基本的に同じだからです。その意味で、競馬は私にとって政治の先を読むためのトレーニングになっているのです。

 競馬の予想の仕方は人によって違うと思いますが、私の場合は極めてオーソドックスです。出走馬の過去の成績、血統、性格、距離適性、馬場適性、調教状況、馬場状態、調教師や騎手のコメントなどをもとに、レースの展開を読み、結果を予想します。競馬新聞にはその情報が詰まっていますから、それを自分なりに一生懸命分析するわけです。

 そして、レース結果が出たら、当たれば予想は正しかったことになり、外れたとすれば予想に見落とした点があったわけですから、どこをどう読み違えたのかを反省し、次の競馬を予想する際の参考にするのです。

 この過程は、政治の先の流れを読む作業とそっくりです。いってみれば「政治家の性格、力量、抱える勢力の規模」は「馬の過去の成績、血統、性格、調教状況」にあたります。「政治のある局面をどう乗り切るか」は「距離適性、馬場適性」、「政治家の記者会見やオフレコ懇談での発言」は「調教師、騎手、取材記者のコメント」にあたるでしょう。

 私たち政治部記者は各記者の取材した情報を集約したうえで、その時々の政治状況や政治家の力量を判断し、この先、政治がどう展開していくのかを読み、記事にしていくわけです。もちろん、競馬という趣味ではなく、プロとしての仕事ですし、世論にも大きな影響を与えるわけですから、その真剣度は全く違いますが…。

 その観点から、今年の政治の流れを、私なりに分析してみましょう。政治で今年最初の焦点だった小沢一郎民主党幹事長の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件は、元秘書で衆院議員の石川知裕被告ら現・元秘書3人が逮捕、起訴されましたが、小沢氏自身は2度の事情聴取を受けたものの、不起訴処分となりました。

 小沢氏は8日、鳩山由紀夫首相と会談し、幹事長続投を取り付けました。事件が今後、新たな展開を見せなければ、小沢氏は「最終決戦」と位置づける参院選に責任者として邁進(まいしん)し、参院での単独過半数確保を目指すでしょう。実現できれば民主党は単独で衆参両院で過半数を制し、政権基盤は極めて強固になり、マニフェスト(政権公約)に掲げた政策を大胆に実行していくことになります。

 最大の焦点はそれが実現できるかどうかです。それを予想するうえで、まずは参院選の陣頭指揮をとる小沢氏の力量を分析する必要があります。その点で言うと、現在の与野党で恐らく選挙の戦い方を心得ているという意味では、小沢氏がダントツでトップでしょう。

 自民党時代に「選挙の神様」と呼ばれた田中角栄元首相に、選挙の戦い方をたたきこまれ、党で選挙の実務を取り仕切る総務局長、幹事長を歴任し、自民党離党後も政界再編の中で、一貫して選挙の陣頭指揮をとってきました。これほどのキャリアをもっている政治家は他にいません。実績という点でも前回参院選、先の衆院選で大勝を果たし、申し分ありません。最近の競走馬でいえば、ディープインパクトなみと言ってもいいかもしれません。

 夏の参院選に向けても、自民党などに先駆けて候補者公募を行い、公認決定もいち早く進めています。また、自らも党務の合間を縫って地方行脚を続けて、票固めを行っており、先行しています。

 問題は鳩山首相の偽装献金事件、小沢氏の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件の影響で、内閣や党の支持率が低下していることです。その点では、競馬でいうレース条件は不利になってきていると言えます。ただ、私自身は現時点が民主党にとっては最悪の状態なので、参院選までにはどの程度かは別として、持ち直していくのではないか、したがって民主党が参院選で単独過半数を確保する可能性はかなりあると見ています。

 ただ、それは参院選まで民主党に対する世論が現在の程度で推移することが前提で、「政治とカネ」の問題が新たな展開を見せたり、5月までに結論を出すとしている米軍普天間飛行場移設問題で迷走したりといった不確定要素が働いた場合は、予想を変更せざるをえないかもしれません。

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